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歌「100語検索」 ⑥<時>-2
時とは一瞬であり、譲れない時間であり、自他で共有した時代であり、過去であり未来であり、失意であり希望である。 それは、永遠であり、刹那であり、…そして現在である。
『時は流れて』 http://www.youtube.com/watch?v=HzQXsPlCH_c 中島みゆき 『時計』 http://www.youtube.com/watch?v=66WEInVQKh4 グラシェラ・スサーナ 『大きな古時計』 http://www.youtube.com/watch?v=0izFsxpTHKE 平井堅 『時には母のない子のように』 http://www.youtube.com/watch?v=fBwAoIsRUpk カルメン・マキ 二階堂CM 『刻(とき)の迷路篇』 http://www.youtube.com/watch?v=dZoxWP_mfZE&feature=related 『時の過ぎゆくままに』 http://www.youtube.com/watch?v=M4O1di7fmW8 沢田研二 『時の過ぎゆくままに』 http://www.youtube.com/watch?v=vi8jk7G_b3k&feature=related リリイ 『時は過ぎてゆく』 http://www.youtube.com/watch?v=coiXF-PqgGQ 金子由香利 『時には昔の話を』 http://www.youtube.com/watch?v=rIePRLjn8gs 加藤登紀子 『時の流れに身をまかせ』 http://www.youtube.com/watch?v=dNnlEgVBCuc 徳永英明 『時には娼婦のように』 http://www.youtube.com/watch?v=CZulsHllqno&feature=related 黒沢年男 『時をかける少女』 http://www.youtube.com/watch?v=yfa7apoC0sE 原田知世 『ひとり寝の子守唄』 http://www.youtube.com/watch?v=n3pdwn0JtWk 加藤登紀子 『めまい』 http://www.youtube.com/watch?v=NLsL9eUKLRQ 小椋佳 『どうぞこのまま』 http://www.youtube.com/watch?v=mU7REallq5A&feature=related 丸山佳子 『東京ララバイ』 http://www.youtube.com/watch?v=XEqL6NCAnpQ 中原理恵 『ラブ・ストーリーは突然に』 http://www.youtube.com/watch?v=0DJpaHx6NEQ 小田和正 『ダンシング・オールナイト』 http://www.youtube.com/watch?v=tKwwCOoCzLI もんた&ブラザーズ 『時間よ止まれ』 http://www.youtube.com/watch?v=UraeYoKaGoU 矢沢永吉 『絹の靴下』 http://www.youtube.com/watch?v=Qy4YRt4OaX0 夏木マリ 『また逢う日まで』 http://www.youtube.com/watch?v=EHwRiQk6Mdw 尾崎紀世彦 『別離-イビョル』 http://www.youtube.com/watch?v=I80RMbpDFLw ミン・ヘイギョン 『J(ジェイ)』 http://www.youtube.com/watch?v=BgyqOncl4Ic&feature=related 門倉有希
歌「100語検索」 ⑤<遠>
本日のお題は「遠」。 「遠」という語からすぐに思い付くのは、ぼくの場合斉藤史さんのこの短歌です。 『遠い春湖に沈みしみづからに 祭りの笛を吹いて逢ひにゆく』
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下記の歌曲・歌謡曲のそれぞれの「遠」は、人麻呂が「遠の朝廷」への入口「嶋門」を通過して抱いた想念にはほど「遠」いのだが、列挙してみる。 そこには、遠いものへのそれぞれの人の心立ちに棲む、愛憎と自戒と希望と決意が見えて来る。が、 時間・空間・別離・愛惜・民族受難・歴史・スケール、つまり時空…、古今東西、この人麻呂歌の「遠」に匹敵する「遠」には出遭っていない。 『大王之 遠之朝廷跡 蟻通 嶋門乎見者 神代之所思』 (おほきみの とおのみかどと ありがよう しまとをみれば かみよしおもほゆ)← http://www.yasumaroh.com/?p=7444 金時鐘さんの『隔たって遠い』という言い回しには、似たものを感じている。
『中央大学:学生歌』(『惜別の歌』) http://www.youtube.com/watch?v=90RhVIwux5k 小林旭 唱歌:『椰子の実』 http://www.youtube.com/watch?v=pr_5DlyWfL4 岩崎宏美 歌曲:啄木『初恋』 http://www.youtube.com/watch?v=9uDjESlhcZ8 唐澤まゆこ 『家路』(「新世界より」) http://www.youtube.com/watch?v=MCuOTM29dbc&feature=related 某市民合唱 『別れの一本杉』 http://www.youtube.com/watch?v=sczOFEjcwck 船村徹 『さらば青春』 http://www.youtube.com/watch?v=pccX0l86d7o 小椋桂 二階堂CM 『遠い憧れ篇』 http://www.youtube.com/watch?v=QZa5NKq7l6g&feature=related 『春よ、来い』 http://www.youtube.com/watch?v=8BP0ji08A4k&feature=related 松任谷由美 『俺たちの旅』 http://www.youtube.com/watch?v=FaiV-cFAIRA 小椋佳 『遠くで汽笛を聞きながら』 http://www.youtube.com/watch?v=Lg8NIweawDo アリス 『遠い世界に』 http://www.youtube.com/watch?v=E_9Q3ddEGvY&feature=related 五つの赤い風船 『銀色の道』 http://www.youtube.com/watch?v=NTUWcIIembw&feature=related ダーク・ダックス 『万里の河』 http://www.youtube.com/watch?v=Gu0QlwDHaQE CHAGE&ASKA 『サライ』 http://www.youtube.com/watch?v=drBC-s9pOE0 加山雄三・谷村新司 『あぶな坂』 http://www.youtube.com/watch?v=I55y-q4U7Eg 中島みゆき 『忘れられるものならば』 http://www.youtube.com/watch?v=8JgSjGqNEvw 中島みゆき
歌「100語検索」 ④<時>-1 「時代」
時代
時代に関する言葉・・・
*誰もが危機を感じ取れなくなったときに、本物の危機が始まる。(塩野七生) *ある時代において目新しいものは、その二世代前に流行ったものの復活版にすぎない。(バーナード・ショー) *名言のない時代は不幸だが、名言を必要とする時代はもっと不幸だ。(ベルトルト・ブレヒト) *時代に没頭していては時代を批評する事が出来ない。(石川啄木) 『何もかも行末の事見ゆるごときこのかなしみは拭ひあへずも 』
『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=D11Bs_7G1rY&feature=related 中島みゆき1975 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=I81JX55QfOk&feature=related 研ナオコ 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=N2WjFzBEYvs 薬師丸ひろ子 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=ZKhvbKMbayg&feature=related 夏川りみ 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=Z1RzSEBKLt8 徳永英明 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=df48XL4PLCs&feature=related Hayley Westenra 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=LQ9cJ6NdTUE&feature=related 中島みゆき 『少年時代』 http://www.youtube.com/watch?v=SqUA_UQsKE4 井上陽水 『学生時代』 http://www.youtube.com/watch?v=7FLZmzP7LmA ペギー・葉山 『青春時代』 http://www.youtube.com/watch?v=-YOhA60bJ7w トップギャラン 『同棲時代』 http://www.youtube.com/watch?v=IGCOrHt04nw 大信田礼子 『時代おくれ』 http://www.youtube.com/watch?v=qSw05db92BI 河島英五 『いく時代かがありまして』 http://www.youtube.com/watch?v=30hq6L-ujtU 加藤登紀子 『時代おくれの酒場』 http://www.youtube.com/watch?v=axzg1R9pS54 高倉健 『みんな夢でありました』 http://www.youtube.com/watch?v=N4RaoKh7K2w 森田童子 『カサブランカ・ダンディ』 http://www.youtube.com/watch?v=PxT4-8AGfek 沢田研二
もちろん、いくつかの歌には異論も苛立ちもある。けれど、例えば、『時代』。 この歌が、若い人たちに、「あんな時代もあったねと」「笑って話」すことなど出来ない人々=他者の痛切の個的公的記憶を 忘却させてしまう力を備えているとしても、それはみゆき姉さんのせいではありません。
池田浩士: 『ひとつの事件を、被支配者たちは個別性から解放し、それに歴史性を付与することができる。歴史性とは、自分とは異なる位相で 抑圧にさらされている他者への視線を、現在・過去・未来にかんして獲得しうる、という可能性である』
歌「100語検索」 ③<夜>
夜
20年前…。 酒が進み酔うと必ず浜田省吾の『もうひとつの土曜日』を歌い、最後には泣き崩れるSという後輩がいた。 10歳近く年長の、夫と別れ高校生の子も居る女性への痛々しい恋だった。周りは「実らぬ恋に、恋してるんだ」とあまり本気にしなかったが、不思議にもぼくと女房は、その女性と後輩Sのファンでもあったので(女房など青年啄木に接する晶子気分ではなかったか?と思う)、痛々しい恋に付き合うこととなる。その恋は、その女性がある男性と一緒になることで、「予定調和」的(?)に敗れるのだが、浜田の透き通った歌唱を聞く度に後輩Sの原形のような恋の気分が押し寄せて来る。人の恋路に声援を送ることなど、この時以外、後にも先にもないことだった。 恋・・・、人は何故あんなにも一途になれるのだろう。 度し難い「視野狭窄」・我への没入、究極の身勝手・「私利私欲」が、そのまま比類なき「無私忘我」・奉仕でもあるという逆説的時間。 不思議な事態だ。詩人の営みの「ふるさと」、遠い原初の出生地もこの界隈ではないだろうか?
本日のお題は「夜」。 それぞれの「夜」は、もちろん後輩Sの「恋」よりは人生の蹉跌にまみれている。 50代半ばに差し掛かった後輩Sの「夜」はいかなる相貌をしていることやら・・・。 久しく会っていない。
『さすらい』 http://www.youtube.com/watch?v=826uPeLW-4A 小林旭 『真夜中のギター』 http://www.youtube.com/watch?v=V74KZEf2alo&feature=related 千賀かおる 『見上げてごらん夜の星を』 http://www.youtube.com/watch?v=eLmhRMl4kJk 坂本九 『夜明けの歌』 http://www.youtube.com/watch?v=n2p03Tx9EPs 岸洋子 『夜霧のブルース』 http://www.youtube.com/watch?v=pENmIDtJ4Do&feature=related ディック・ミネ 『夜霧の慕情』 http://www.youtube.com/watch?v=7oC5Gbac3eU 石原裕次郎 『夜霧よ今夜もありがとう』 http://www.youtube.com/watch?v=3uctHkc3It 石原裕次郎 『15の夜』 http://www.youtube.com/watch?v=AiD78w0AqeQ 尾崎豊 『イヨマンテの夜』 http://www.youtube.com/watch?v=Q2odR2ccZFs 伊藤久男 『夜風の中から』 http://www.youtube.com/watch?v=hZXDHCVmc3Q 中島みゆき 『もうひとつの土曜日』 http://www.youtube.com/watch?v=XZWuTd3ItBo&feature=related 浜田省吾 『君が、嘘を、ついた』 http://www.youtube.com/watch?v=v5rT3axq1EY&feature=related オフコース 『夢は夜ひらく』 http://www.youtube.com/watch?v=sngqSw63eE4&feature=related 藤圭子 『赤坂の夜は更けて』 http://www.youtube.com/watch?v=4NzyRn8U8z8 西田佐知子 『長い夜』 http://www.youtube.com/watch?v=f8GDv9iYjwM 松山千春 『リバーサイドホテル』 http://www.youtube.com/watch?v=E7TCf1csQeQ 井上陽水 『夢一夜』 http://www.youtube.com/watch?v=tnTqewSREv4 南こうせつ 『夜明けのスキャット』 http://www.youtube.com/watch?v=gaLFGctaKyM 由紀さおり 『雨上がりの夜空に』 http://www.youtube.com/watch?v=oIBBbprepQg 忌野清志郎 『抱きしめたい』 http://www.youtube.com/watch?v=8CHvfSHogBk Mr.Children 『アザミ嬢のララバイ』 http://www.youtube.com/watch?v=aZUp8MUmM-g&feature=related 中島みゆき
歌「100語」検索。 ②<空>
空
先週、取引先のある女性社員が退社した。彼女は、ぼくの社への仕事発注の窓口の一人であり、何度か仕事をいただき、現場の労苦を共有した間柄だ。永年考えて来た「やりたいこと」に転進するそうだ。 是非送別会に出席したかったのだが、現場事情で果たせなかった。 伝え聞くところでは、彼女は送別会の最後の挨拶で 「空のようでありたいです。だって、歌の歌詞でも空だけは特別でしょ、いつも人間の夢や希望を表している。そんな言葉は他にありません」 と語り、続けて、号泣して仲間への感謝を述べたそうだ。実際、その会社は「仲間」意識「共助」風土が生きている今どき稀な会社なのだと思う。
彼女には特別の思い出がある、2年前のことだ・・・。当時、確か27歳だと聞いた記憶がある。 ぼくが「大人を示そう」と柄にもなく無理をして、我が半生(おっと4/5生だが)でたぶん唯一の、「大見得」を切って演じた「品川ジジイ:奮闘キザ篇」の一幕だ。 施工引渡しの日、お施主様・元請担当者である彼女・総合下請会社の管理者ぼく・現場施工の各工事者、皆が笑顔で「出来映え」に納得して談笑していた。と、彼女が施主から別室へ呼ばれた。嫌な予感・・・。 数分後、彼女が沈んだ表情で出て来た。打合せや施工に不備があったのだろうか、別室で施主側担当者から詰め寄られたようだ。 やがて彼女はこちらへやって来て、泣き顔で言う。 「品川宿さん、すみません。出直しになりますけどやって下さい。図面確定後に、ドアがギャラリ付き(通気の為)に変更になっていたのです。それを私が伝え忘れてました、ゴメンナサイ。」 口頭約束は、図面化または書類化しておかないとこうなる。その穴埋めは安くはない。小さく短工期の現場ほど、それが抜けてこの種の失敗が起きやすいのだ。かく言うぼくにもこの種の失敗は山とある。今回、取り返しの付かない重大ミスではなかったのが不幸中の幸い。
3日後にドアを実費の半額(つまり当方も負担)で取り替えることとし、帰路、駅のガード下の居酒屋での「ちょっと一杯」と相成った。
「私、この仕事に向いてないみたい。キャリアもないし、思い違いや失敗ばっかり。品川宿さんにも迷惑かけてしまい申し訳ありません。仕事の成約に汲々として、押さえるべきいろんなことがしょっちゅう抜けてしまうんです。 ワタシ、最低!」。 ここで、品川ジジイが、下心ゆえに(でもなかったのだと信じて欲しいが)キザな迷セリフで「人生を語る」(?)わけだ。 品川ジジイは、労組運営・労組による会社経営ではついぞ出来はしなかった姿勢、その欠落・空白を埋めるように、歯の浮く科白を吐くのだった。 「思い違いや失敗の数こそが、(現場施工の)この仕事の蓄積、つまりキャリアです。もし、ぼくに、あなたより多く持っているものがあるとすれば、それは思い違いと失敗の数だけ。心配ご無用。あなたは今日、確実にひとつのキャリアを積んだのです。」(臭)。{けど、本心ですよ} 真っ赤になった女性社員の目は潤んでいた。 (品川ジジイは、一度やってみたかった、篠原涼子登場のオリックスCMの上司的役回りを、ぎこちなくとも精一杯果したという訳だ。)
一年後、彼女は連続して女性トップの成績を上げ、部下を三人持つ立場になって行く。その彼女が先週退社した。よほどの「やりたい」ことがあるのだろう。 それとも・・・。 が、彼女ならきっと乗り越えて行くだろう。そのうち、ゆっくり呑みたいものだ。 ***************************************************************************************************
本日のお題は「空」。17曲にもなってしまったが、確かに「空」は特別です。
『悲しくてやりきれない』 http://www.youtube.com/watch?v=8JG0S9v2Yg4 おおたか静流 『青空』 http://www.youtube.com/watch?v=yXrj2DyJhlQ ザ・ブルー・ハーツ 『雨が空を捨てる日は』 http://www.youtube.com/watch?v=5YwbH38eh8g 中島みゆき 『空に太陽がある限り』 http://www.youtube.com/watch?v=Z2B1tVf_5fA にしきのあきら 『紅の翼』 http://www.youtube.com/watch?v=hBB9fNzmCy4 石原裕次郎 『夢をあきらめないで』 http://www.youtube.com/watch?v=PW_kP5uwp7A 岡村孝子 『熱き心に』 http://www.youtube.com/watch?v=_rxCSH43QT8&feature=related 小林旭 『異邦人』 http://www.youtube.com/watch?v=cIsCifnFy9Y 久保田早紀 『島人ぬ宝』 http://www.youtube.com/watch?v=h9Lg3dHFfsM BEGIN 『学園広場』 http://www.youtube.com/watch?v=ap-UabxvIR0 舟木一夫 『赤い風船』 http://www.youtube.com/watch?v=VDpExFJNVRI 加藤登紀子 『星空のディスタンス』 http://www.youtube.com/watch?v=3ZaRYf2ebyA アルフィー 『星屑のステージ』 http://www.youtube.com/watch?v=3E0uI2WZZTo チェッカーズ 『翼を下さい』 http://www.youtube.com/watch?v=34JsHTl9oFU&feature=related 赤い鳥 『空も飛べるはず』 http://www.youtube.com/watch?v=h-kQw4JqCHE スピッツ 『この空を飛べたら』 http://www.youtube.com/watch?v=Gyh4Q7y7YME 加藤登紀子・中島みゆき 『芭蕉布』 http://www.youtube.com/watch?v=StMZxCpre-k 夏川りみ *添付画像は、1956年:フランス映画 アルベール・ラモリス『赤い風船』より
歌「100語」検索。 ①<河・川>
川・河
Kと呑んだ夜、隣の席の男が、カラオケでたまたまその歌を歌い始めて、 『深夜放送から流れるこの歌の歌詞に、ある川の名があったんや』とKの話は始まった。 『それは何度か聴いていた歌だったが、広く知られるようになって日も浅く、俺は川の名前までは知らなかった。その時、彼女はその場の危機をかわすように、「あっ、○○(街の名)だ」と言ってラジオに耳を傾けた。その10数年前、彼女が住んでいた街の名を口にしたんや。会話は途切れ、俺の動きが制された。 女生徒だった彼女の日々を想像して、俺はふと我に返った。 翌朝、俺は大雨の中を猛スピードで帰宅したのだが、約束の時間を20分も過ぎていて、妻と二人の子はもう保育所へ出かけてしまっていた。 その大雨の中、保育所へ急ぐ途中に横転して子二人と共にずぶ濡れになったと妻から聞かされた。やがて放り出された。別れた女房は同じ職場に働き続け、子二人はとっくに独立して、もう孫もいるよ。』 『この歌を聴くと、今も、その街の名・その川が流れる街の女生徒だった時期の想像の彼女・大雨・ギリギリまで待っていただろう妻・ずぶ濡れた妻と二人の子の姿が浮かぶんや。大事故にならなかったのは何よりだが、この歌、どうもいけません』 とKは苦笑した。30年は永いのか短いのか・・・。
ぼくと同い歳のK。永い独り暮らしの不自由に、何故か次々相手を見つけ、「楽しんでるよ」と言い続けた虚勢にも、ようやく陰りが見える。 永い付き合いで、その日初めてこの話を聞かされたということが、何よりもそれを雄弁に物語っている。 主観的には、別れた妻とも、二人の子とも、その川が流れる街の元女生徒だった去ってしまった彼女とも、「切れて」「繋がる」「生」を生きたいと生きたKの30年だったのだろうとは思うが、相手からはとうに切られているのだ。 Kの方では身勝手にも流れることなく、なお澱んで留まっているとでも言うのか? 全ては、川のように流れ行くばかりではないと言うのか?
『河は呼んでる』 http://www.youtube.com/watch?v=h0qg8-Sp3X8 (同名フランス映画主題歌) 『イムジン河』 http://www.youtube.com/watch?v=GOFFjpyVmvI キム・ヨンジャ 『川は流れる』 http://www.youtube.com/watch?v=D6xqNUHpW34&feature=related 仲曽根美樹 『北上夜曲』 http://www.youtube.com/watch?v=cpOunPFAMsk マヒナスターズ 『船頭小唄』 http://www.youtube.com/watch?v=CVwG3MAS8CE 森繁久弥 『神田川』 http://www.youtube.com/watch?v=jNxm4euZ52o かぐや姫 『千曲川』 http://www.youtube.com/watch?v=j8G1lhBOxBM 五木ひろし 『青葉城恋歌』 http://www.youtube.com/watch?v=69cGLlcfH3U&feature=related 佐藤宗幸 『雪国の町』 http://www.youtube.com/watch?v=AnGy9PZIoII 石原裕次郎 『川の流れのように』 http://www.youtube.com/watch?v=3wmIrAFKLs0 美空ひばり 『織江の歌』 http://www.youtube.com/watch?v=lsNTZ3SWqdc 山崎ハコ 『黒の舟唄』 http://www.youtube.com/watch?v=DXhdgOI_tXk 野坂昭如 『すべての人の心に花を』 http://www.youtube.com/watch?v=FPGMsifqRgg&feature=relate おおたか静流
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」方丈記