Archive for the ‘歌遊泳’ Category
歌遊泳: 遠くに聞こえるもの
駄エッセイ・歌遊泳: カルメン・マキは母になったか?
歌遊泳: 誰もが、歌より先を走っていると 思って生きていた 68~70年
帰って来たヨッパライ:http://www.youtube.com/watch?v=GHNHACxnU6U
68年東大「駒場祭」ポスター。父不在を見抜きマザコンを嘲り、土着を抱えた左翼小僧の心性を見事に言い当てていた(と今認める)、 このコピーの作者は、同世代の東大生=日本古典文学者である橋本治氏(『窯変源氏物語』『桃尻語訳枕草子』の著者)だそうだ。 どうです、このカッコ悪さをパロるカッコ良さ(?)。画像が読みにくいと思うので、字句を示しておく。 『とめてくれるな おっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く』 です。 世代を相対化できていて、自省的で世代自己分析としてなかなか・・・と言われているが・・・どうだろう?
60年安保闘争50周年の、来年2010年。各人の「物語」は、時代遅れの衣装と厚化粧をまとってか、脱衣とスッピンに至ってか、グルリ回って 第4楽章に差し掛かっている。 それは、「公」と「私」の両方から、そうなのだ・・・。
歌遊泳: 1915年(大正4年)中山晋平作「ゴンドラの唄」
写真は大正期道頓堀
この歌は1915年の作品だそうだ。ぼくは、母が歌っていたのを聞いたのが最初だと思うが、映画『生きる』(黒澤明監督)で、死期近い老公務員:志村喬が公演のブランコに座り 「命~ぃ 短~かし 恋せよ乙女」と歌ったのを聞いて「戦後の唄なのかな」と思ったような気がする。いま思えば、このメロディーは確かに昭和以前ですね・・・。
ともかく、「戦後歌謡曲」云々の番外編です。
歌遊泳: ちあきなおみの何が響くのか?
品川宿たそがれ氏推薦の敗戦直後期必読三冊: 『敗北を抱きしめて』(ジョン・ダワー、岩波書店) 『拝啓マッカーサー元帥様』(袖井林二郎、岩波書店) 『占領下日本-OCCUPIED JAPAN-』(半藤一利・保坂正康・他、筑摩書房) は、 チームちあきが選択した歌・歌唱の気分に重なるのです。ゴンドラの唄は戦前、他に海外の歌・古い歌・60年以降の歌もありますが、 不思議なことに、聞こえて来る歌唱はことごとく、ぼくを敗戦直後時空へと誘うのです。
「別れの一本杉」の痛切の別れ(遠い遠い想い出しても遠い空♪)。 「さとうきび畑」の静かな、だからシッカリ響く怒り(海の向こうから戦がやって来た♪)。 「朝日のあたる家」の渇いて開き直っても、「和解」と「赦し」に至ろうとする心。
歌遊泳: 石狩挽歌
歌遊泳&交遊録: アカシアの雨がやむとき
松田聖子 http://www.youtube.com/watch?v=jpJjCGVS3-E 高橋真理子・工藤静香 http://www.youtube.com/watch?v=D1rFfFbhxtw 戸川純 http://www.youtube.com/watch?v=dean1ozOdsg&feature=related フランク永井+ニニ・ロッソ http://www.youtube.com/watch?v=bn_tfRB8zQc&feature=PlayList&p=51193832371DE118&playnext=1&playnext_from=PL&inde 坂本冬美 http://www.youtube.com/watch?v=SwRO9kCm5vo 石川さゆり http://www.youtube.com/watch?v=VqxUwELbnc4 おおかた静流 http://www.youtube.com/watch?v=GEodr7rHYw0&feature=related 西田佐知子 http://www.youtube.com/watch?v=msSznHB4OyY
つぶやき&歌遊泳: 【おさななじみ】異論
地方を含め、物資不足・勤労動員・ひもじさや父不在、
そうした戦争期の社会構造や風景の中で生きたはずだ。
自身でなくとも、父や母、兄や姉、身近な者の「戦争」を因とする受難も見たはずだ。 痛苦の記憶の味・匂い・香りを、 「青いレモンの味」一本へと変換する装置こそが、公的記憶の無化装置であり、
歌遊泳: 永六輔・中村八大の登場
作詞:永六輔、作曲:中村八大は、六・八コンビと呼ばれた。
『夢で逢いましょう』(TV番組主題歌61年)、水原弘:『黒い花びら』(59年)『黄昏のビギン』(59年)、 坂本九:『上を向いて歩こう』(61年)、ジェリー藤尾:『遠くへ行きたい』(62年)、梓みちよ:『こんにちは赤ちゃん』(63年)、 デューク・エイセス『おさななじみ』(63年)(北嶋三郎『帰ろかな』はオリムピック後の65年) 敗戦後社会の貧困を脱し(朝鮮戦争<50~53>特需がその出発なのだが)た社会が、 東京タワーを完成(58年末)させ、東京オリムピック(64年)へ向かう頃・・・・、何かを置き去りにして発展を謳歌する世に、コンビは歌を提供した。 さて、上記六・八になる歌は、正に豊かさが始まり全国に行き渡る時期の代表歌謡群だ。
『アカシアの雨がやむとき』(60年)を聴いていた(あるいは歌っていた)学生さんも、 60年安保敗北の湿った『挫折』病(?)から立ち直っ(た振りをし?)て、高度経済成長社会(岸退陣後、池田「所得倍増計画」)へ向かう。 やがて、モウレツ社員と呼ばれることとなる世代だ。六・八コンビの歌は、その時代の明暗の、どちらかと言えば「明」の部分からの逆説、 個的世界を謳歌することの意味を堂々と主張していたように思う。「戦後」後的なのだ。 経済発展に付帯して当然に持つべき「先進国的個人」の「自己主張」の大衆的開始だった(ぼくの中高時代に当たっている)。 それは、まるで、やがて来る、経済成長が抱えきれない生産と消費の矛盾、侮れない若者の量的存在、など時代的なある「飽和」が、 個と社会との抜き差しならない関係となり、いわゆる『大衆反乱』(実は学生世代だけの)となる60年代末への予告編でもあった。 60年代末の学生反乱からさらに世紀末の大学、21世紀大学を論じて同世代の論者三浦雅士はこう言っている。 「自動販売機に敗れ去るセールスマンの物語『セールスマンの死』(アーサー・ミラー) の五〇年代からさらに加速される変化は、 六〇年代の『大学=労働力商品の大量生産工場』を経て、 いまや大学は工場でさえなく、『大学自体が自動販売機化』している」 (『青春の終焉』、2001年、講談社)
さて駄話は尽きないが、六・八コンビの歌の中から「ひとつ」と言われれば、私は、『黒い花びら』か『黄昏のビギン』なのだが、 『黒い花びら』は大ヒットしたしあまりにも有名なので、ここでは【黄昏のビギン】(1959年)としておく。ここでも、ちあきなおみさんが圧巻だ。
前川清
http://www.youtube.com/watch?v=kLhK7PAd2hM 夏川りみ
http://www.youtube.com/watch?v=KEKFY7yuT8c 石川さゆり
http://www.youtube.com/watch?v=aSzgIqUTRqM&feature=related
ちあきなおみ
http://www.youtube.com/watch?v=VcsDsOEU3B0&feature=related 水原弘
http://www.youtube.com/watch?v=SqJJPxwSYho
この歌には、他の六・八歌には無い「陰り」がある。敗戦後社会と経済成長社会との交差期、そのあわいに宿る、 まだ高度成長が身に付かない敗戦後を引きずっているような空気、 東京タワーの威容も、見上げれば足許が揺れそうで、シックリ来ないような違和感・・・。傑作です。
だが、実はぼくは、六・八コンビには言いたいことがある。一昨年書いたもので、次回 載せる。
歌遊泳: 酒と泪と男と女
【酒と泪と男と女】
みんな呑兵衛ェなんやろかね!
23歳・46歳とある河島英五さんには、是非60代後半の歌唱を聞かせて欲しかった。
きっと「呑んで呑んで呑まれて呑んで」のところ、力んでは歌えんでしょう。
第一、歳食えばそんなにガブ呑みは出来ませんしね。
ところで、ここでも先日同様、ちあきなおみさんがええね。
和田アキ子
http://www.youtube.com/watch?v=lp78rRty0v0&feature=related 堀内孝雄
http://www.youtube.com/watch?v=R1fc0iVhRVo 金蓮子(キム・ヨンジャ)
http://www.youtube.com/watch?v=n_Hj_HnXgn0&feature=related 鳥羽一郎・五大夏子
http://www.youtube.com/watch?v=uCCt0B32YOQ&feature=related 杉良太郎
http://www.youtube.com/watch?v=T5Fs63W7VJ0 ちあきなおみ
http://www.youtube.com/watch?v=gydiqOmRrU8 河島英五(23歳)
http://www.youtube.com/watch?v=-4m1GPE35rg&feature=related 河島英五(46歳)
http://www.youtube.com/watch?v=tQG1pt_oUls&feature=related