【「卒業写真」の「あの人」】
卒業の季節だ(大阪府立高校は3月1日が多いらしい)。
卒業ソングランキングというのを見ると、数十年の間に知らない歌が沢山あって驚く。「卒業」を歌っているのではなくても、「卒業」期に唄われる歌も含め「卒業ソング」と呼ぶらしい。知っていて印象にも残っている(歌えるかも?)のは、
『卒業』(斉藤由貴), 『春なのに』(中島みゆき),『卒業』(尾崎豊),『なごり雪』(イルカ),『乾杯』(長淵剛), 『贈る言葉』(海援隊),
『空も飛べるはず』(スピッツ),『さくら(独唱)』(森山直太朗),
『手紙~拝啓十五の君へ~』(アンジェラ・アキ),『卒業写真』(荒井由美)くらいか。そんな中で、荒井由美(現:松任谷由美)の『卒業写真』が改めて好きになった。
ネットの解説に「卒業したけれど、好きな気持ちはずっと変わらないという純粋な恋心を歌った曲で、もっとも多くカヴァーされている曲の1つでもあります。」とあるのだが、「卒業写真」の「あの人」とは上記の解説にあるようなことではない、とどこかで耳にしたことがあって、検索してみた。
果して「あの人」とは少し年長の大人の女性だった。
敬愛する先輩や師や憧れ人、そのいずれでもあって、かつそれとは趣の違う心情=透明感・精神性・無償性を土台にした濃い情愛= をも併せ持つ独特の対象・・・。

『あの頃の生き方をあなたは忘れないで
あなたは私の青春そのもの
人ごみに流されて変わって行く私を
あなたは時々遠くで叱って
あなたは私の青春そのもの 』

仕事や各種取組みや夫を置いて、「古い同性の友」への絶対の信頼を捨てない人を、近くに観たことがある。それは清しく鮮やかで羨ましいものだった。

ぼくらは、「あの頃の生き方」を「忘れ」ずに居て「遠くで」「叱って」くれる・・・そんな対象を持っているだろうか?