交遊録 関西生コン労働組合への弾圧を許すな!

熊沢 誠氏より

関西生コン労働組合への弾圧を許すな!
全日本建設運輸連帯労働組合の単組・関西生コン支部(愛称、「関ナマ」)が、昨年から引き続いて、建設資本と国家・警察権力と右翼レイシスト団体の結託する悪質きわまりない弾圧にさらされている。
関西生コン支部は、セメント会社とゼネコンの中間にあってそれら大企業の収奪に喘ぐ中小零細の生コン事業の安定化と対(つい)のものとして、生コン輸送の運転士など、そこで働く労働者の労働条件を企業の枠を超えて死守しようとしてきた。そのために「関ナマ」は、この業界が「共同受注・共同販売」によって健全経営となるような産業政策を培い・支えるとともに、ときに有効な団交に不可欠のストライキ権や「アウト企業」のボイコットを辞さなかった。現代日本ではまれにみる、それはまことにまっとうな労働組合であった。だが、だからこそというべきか、反動化した安倍政権下の資本と権力は、このような産業規模の政策視野をもち、実際に争議権を行使しうる労働運動の放逐を画策したのだ。こうしてゼネコンの収奪を規制する組合運動は威力業務妨害、組合員の争議の場での当然の発言は脅迫・強要・暴行とあえてねじ曲げられる・・・。現在、これまで5つの現場をあわせて、昨年7月~11月の間に、実に39人の組合員が逮捕され、25人(内5人は「関ナマ」に協力的な事業者!)起訴されている。労働団体や野党はいまだに、この組織的な労働運動弾圧を、特定の業界、特殊な組合、関西という一地域に限られたものとみてはいないだろうか? 私たちはまた、真摯な組合運動への抑圧を、当面の政治的民主主義の危うさにくらべれば、なお副次的な危機にすぎないと考えてはいないだろうか?
そう解釈してこの強権の攻撃を看過してしまうなら、長年の労働史の貴重な遺産である労働者の基本的権利は、ひいてはおよそ民主主義の神髄は、確実に死にいたる。なぜなら産業民主主義の核をなす憲法28条こそは現憲法の枢要の領域だからだ。世論はなお「関ナマ」弾圧に相対的に無関心であるかにみえる。絶対に許してはならない。関生労働組合の受難はまさに労働者・市民全体のものと気づきたい。全国的な政治問題、国会の課題にも広げたい。

  • 橋本 康介 規模も水準も違うのだが、
    組合否認・組合潰し攻撃・組合潰しの会社破産・職場バリケード占拠(1977年から5年間)・労組自主経営体(計20年)・己らが破産(1998年)という無様で稚拙な自称「闘い」をした者として、「連帯ユニオン関生支部」への攻撃がヒリヒリ痛い。


    この20年のグローバル新自由主義経済支配の世は、支配者の横暴とともに、ワシらの痛覚を奪った20年でもあったと認めたい。労働運動主流は自分たちの危機だと思っているか? 野党はどうか? 熊沢さんが書いておられるように「この強権の攻撃を看過してしまうなら、長年の労働史の貴重な遺産である労働者の基本的権利は、ひいてはおよそ民主主義の神髄は、確実に死にいたる。」という痛覚を、自他に再刻印したい。

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