ほろ酔い通信: 「百万本のバラ」と居酒屋に貼られていた新聞

本日夜、某行動の帰路、カラオケへ。 同行者がペレストロイカのテーマソングと称される『百万本のバラ』を唄った。いい歌だ。

ぼくの記憶では、この歌の原曲は、ラトビアの放送局が主催する歌謡コンテストに初出して高評価を得たラトビア語の歌謡曲だ。 歌詞の内容は、ヒットしたロシア語版やその内容を踏襲した日本語版とは全く異なり、大国にその運命を翻弄されてきたラトビアの人々・民族・社会の苦難の歴史を暗示するものだったという。いい曲だったし当地でのヒットもあって、目を付けた詩人や製作組織が、ロシア語版の絵描きの物語を付けて世に出した。ラトビアの作曲家が書いた曲に、ロシアの詩人がグルジアの画家のロマンスを元に詞をつけたという歌詞の内容は、グルジアの画家ニコ・ピロスマニがマルガリータという名の女優に恋したという逸話に基づいているらしい。 果たせるかな、大ヒット。

旅役者(女優)に恋する絵描きの歌詞も悪くはない、けれど本来、少数民族の永年の受難・悲哀・抵抗・希望を歌い上げた「願い」と、大国の横暴を糾す抗議の「意志」の歌であった。 ペレストロイカのテーマソングだと言われ、広く唄われた背景には、少数者の抗いへの共感という心情が脈打っていたのだ。と、ぼくはそう思う。 深夜ハシゴした居酒屋のトイレのタイル壁に、沖縄独立を願う「(仮想)新聞」が貼られていた。

ぼくは、『百万本のバラ』を想いながらその紙面に見入った。 琉球独立 その紙面の隣の鏡には、沖縄の歌をすぐには歌えはしないぼくが映って居る。

 

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