交友録&映画談議:よき土曜日
いい土曜日でした。
中央区新富町の現場が昼一番に片付いたので、チョイ土曜散歩。午後から、
日本教育会館一ツ橋ホールの金城実氏個展「世界を彫る」を覗く。作品「大逆事件と安重根」を前に立ち尽くす。会報「大獅子通信」に某コープの茨木のオバチャン達(失礼!)の氏名を発見。昨夏のアトリエ襲撃時の大酒を思い出し、思わず氏に時間を割いてもらったことへの感謝のメール。
.北へとフラリ歩いて神保町古書店巡り。シナリオ等映画関係専門店で浦山桐郎作品を探す。無かったが、飢えた映画青年(?)気分を思い出す。
帰ろうと、地下鉄三田線神保町駅まで来ると、交差点の「岩波ホール」が、『パプーシャの黒い瞳』上映まであと10分だよと誘う。観たいと思っていた作品なので、当然入場券購入してエレヴェーターへ。大収穫だった。
1910年ジプシー(注a)のコミュニティーに生まれた女性パプーシャの人生を辿るストーリーは、ヨーロッパ現代を映し出し、社会主義国を含む「国家」を問い、民族・言語・アイデンティティとは何かを問い、主人公=女の根拠地を探る。
文字を持たないジプシー(ロマ)に在って、独学で文字を得た主人公の数奇な人生は、まるごと少数者・異端者・「異郷の言葉」「文字なき世界」に生きた女の歴史であった。美しいモノクロ映像に圧倒された。
(注a)【ウィキペディアより】
ロマ・ジプシーと呼ばれてきた集団のうちの主に北インドのロマニ系に由来し中東欧に居住する移動型民族である。移動生活者、放浪者とみなされることが多いが、現代では定住生活をする者も多い。ジプシーと呼ばれてきた集団が単一の民族であるとするステレオタイプは18世紀後半に作られたものであり[1]、ロマでない集団との関係は不明である。ロマの人種的分類については、現在でも定説が存在しないため、厳密にどの人種に分類できるかは、いまだに判明されていない。
歴史的経緯をたどると、ロマは西暦1000年頃に、インドのラージャスターン地方から放浪の旅に出て、北部アフリカ、ヨーロッパなどへとたどり着いたとされる。旅に出た理由は定かではないが、西方に理想郷を求めた、などの説がある。彼らがヨーロッパにおいて史料上の存在として確認できるようになるのは15世紀に入ってからで、ユダヤ人と並んで少数民族として迫害や偏見を受けることとなる。ただしユダヤ人ほどこの事実は強調されていない。
最新の遺伝子研究ではインド先住民のドラヴィダ人との類似性が示唆されてきている。