10月4日 山本義隆氏講演
山崎君のモニュメントを作るなら、是非金城実氏に作ってもらいたい。氏が言う「民衆史とクロスすることのなかった全共闘」が、2014年、戦争前夜のこの国の民衆の魂を呼び覚ますかどうかは知らないが、五〇年経って山崎氏は在るべき民衆の一員として甦る。全共闘は、政治的にも・思想的にも・文化的にも・民衆史的にも、核にクロス出来なかったと思う。しかし、大学の大衆化という事態の中で、とりわけ人間数の多い我が世代の、マスプロ教育が生んだ「亜インテリ大衆」としての学生であったならば、それ自体戦後的「民衆」の一形態でもあった。
金城氏が「クロスすることがなかった」と語る向こう側に、なみなみならぬ共感と、新たな民衆史に関わる友軍としての期待を聞いてしまうぼくだ。応えたい。