秘密保護法 を実態無効にしなければ 国のカタチが変わってしまう。
「特定秘密保護法案」が衆議院強行採決の後、参議院に回り、ここでも強行採決された。 参院の山場である4日・5日・6日は施工現場が早く終ったので、国会周辺の抗議行動や日比谷野音の反対集会へ向かった。 国会前に行って何かが変わる訳ではない。だが、じっとしておれなかったのだ。 「秘密保護法」では、「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」に関する、余りに広く恣意的に無限拡大する情報群から、その秘密を管理している当の行政機関が「特定秘密」に指定する。秘密であるのだから、「何が」秘密にされたのか、国民には知る術が無いのだ。なんじゃこりゃあ!
米軍(例えば普天間基地)に関する情報、自衛隊の海外派遣など軍事・防衛情報は「防衛」に含まれる。原発の安全性・設計図・放射線被爆の実態・健康への影響なども「テロリズムの防止」に、「特定秘密」指定者が強引に指定されればそうなってしまう。 その漏洩を防ぐべく、「特定秘密」を漏洩する行為だけでなく、それを知ろうとする行為も「特定秘密の取得行為」として処罰の対象とするというのだ。21世紀版「治安維持法」だ!
マスコミ記者、フリーライター、研究者、学者他の、自由な取材や研究活動も、法によって明確に保護されず、言論・表現の自由を否定している。内部告発など「公の利益」に資する行いを保証していない。「国民の知る権利に充分配慮する」などという抽象文言ではなく、話は逆で「取材・研究・調査を妨害する行為をしたる者は、云々」と明確に「知る権利」の側に立った規制が必要だ。 これは、日米一体の軍事行動に向けた米国の「軍事機密保護」が甘いという指摘への対応と、それに乗じて国内統治に当たり、為政者の行為を「秘密保護」を名目に隠蔽し、反対者を罰するという稀代の悪法だ。
立法府たる国会が、国政調査・チェック機能を放棄し、行政府ヘッドたる官邸と官僚に売り渡す行為にも関らず、国会議員は自らの存在否定だと思っていない。衆参の強行採決、とりわけ自民党にひたすら擦り寄り法案成立に尽力した公明党の歴史的犯罪性は、後世に語り継ぐべき汚点だ。 「恣意的になんか運用しない」ではなく、「恣意的に運用できないハードルを法の中にキチンと設定しておく」、これが法というもののあるべき前提条件だ。 そして、現行法制では、国家公務員・地方公務員・警察・自衛隊員に公務員法や自衛隊法などで「守秘義務」と罰が定められており、しかも立件に至ったのはごく少数。有罪に至ったのはごく僅かだという。そう、現行法で充分なのだ。 アメリカ軍事との一体化、そして国家統制としての21世紀版「治安維持法」、これが正体だ。
そして、「秘密保護法」は単に一法律なのではなく、安倍が推し進める「集団的自衛権行使」「共謀罪」「NKK乗っ取り」「教科書検定制度の改悪」「戦後レジームからの脱却」「美しい国」「改憲」へと進みたい安倍の情報統制社会への大きな物語のひとつだ。二の矢、三の矢が放たれる前に陣形を整えねばならんなぁ~。