八尾空港をオスプレイ訓練にどうぞ…。 維新の正体
6月6日、安倍総理は維新・松井幹事長と会談し、松井・橋下の「八尾空港オスプレイ訓練受け入れ」という唐突な提案を検討する意向を示した。
橋下氏の慰安婦発言の失態から国民の目をそらせるためか、「風俗活用の勧め」発言への米軍の不快感を和らげるためか、大慌てで思いついた維新の「スタンドプレ-」か? いや「新自由主義」+「国家主義」に彩られた維新の政策の核心だ。
安倍総理は、橋下氏の慰安婦発言時には「安倍政権はそのような野党党首の発言や歴史認識に与しない」と良識ぶりを装ったが、八尾空港提供発言では再び維新と手を組み利用したいのだろう。
安倍首相の日頃の言動に照らすまでもなく、軍事の日常化・全国化は自民党安倍総理系の積年の悲願だ。 客観的には、維新が自民党政策の露払い役・様子見役を果して行くという構造だ。 ここしばらくの維新・橋下の言動に対して、公明党の山口代表が維新を指して「暴走政党」と呼び、「このようなリーダーに率いられた政党との連携は考えられない」(趣旨)と述べたが、その姿勢を堅持してもらいたい。 和歌山県知事は「受け入れも何も、自治体の意向に関係なくオスプレイの低空飛行訓練は実施されているではないか! 見え透いたパフォーマンスだ」という趣旨の発言をして不快感を示している。
言うまでもなく、八尾空港は沖縄嘉手納基地同様、四方を市街地に囲まれ、東大阪市・大阪市など大都市が隣接する民家密集の「不適格」空港だ。面積・近隣状態・補給やメンテ施設など、どの角度から見ても八尾空港は不適格だと、元防衛庁長官や元自衛隊幹部も語っている。そこを敢えて提案に及んだ橋下氏らの思惑は、「慰安婦発言」の失点(本人らはそう自覚してしないが)と、沖縄米軍への「風俗利用の勧め」の失点を取り返そうとしての米軍と自民党への媚であり、維新政策の核心でもある。
沖縄の心が「基地の返還・撤去」であって「危険の分散」ではないということを理解できない橋下氏らの思想・感性は、「慰安婦問題」での「施設の管理」「従事者の移動」「従事者の募集の民間への委託」はしたが、「軍」が「直接管理支配したのではない」とする屁理屈と同根だと思う。