日米安保下、植民地下沖縄での 橋下発言。 その構造的現在地
橋下市長、米軍・米国民にだけ謝罪。 橋下市長問責決議案。ん? 橋下発言への友の指摘は核心を突いている。 大阪市議会の自民・民主・共産が橋下市長問責決議案を出すそうだ。昭和の戦争を「侵略」とは言えないとする人々、「従軍慰安婦」制度に「軍の関与は無かった」と言う人々が「うようよ」居る自民党には、つくづく「?」とは思うのだが、どうかこの機会に「歴史認識」(を歴史家に任すのではなく)を一から深く考えるキッカケにしてもらいたい。市民も、識者も、学者も、誰も、政治家という職業・立場が歴史認識と無関係に成立しうるなどとは全く思わないのだ。 橋下市長は従軍慰安婦と軍(と当時の政府)との関係について、会見で「施設の管理」「従事者の移動」「慰安婦の募集を民間へ依頼」に関して、「軍」が行なった、と言い、拉致・監禁などを行なって、強制的に拘束した事実を示す証拠は無い、と言っていた。それは充分、「軍」の管理・実行じゃあないか!
「慰安婦を『私』が必要と言ったのではなく」「『戦時においては』女性を必要としていたのではないかと発言した」ところ、マスコミに「『私』が容認していると」誤報された、とも言っている。 ちょっと待った。「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、どこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」との発言(5/13定例会見)は、マスコミの誤報・デッチ上げなのか? ハッキリさせなさい。 維新は、問責決議が可決されれば、市長辞任・再選挙だと恫喝しているそうな。懲りない面々だなぁ~。 追記: 夜のニュース報道によれば決議案に賛成するはずだった公明党が反対に転じ、「問責」の文言を抜いた独自案を提出。それぞれ否決されたそうだ。出直し市長選による市政混乱は良くないというのが、その理由だそうだ。来る参院選と同時期は困る、参院選の維新との全国的選挙協力への思惑・・・等々だそうで、勝手にしてくれ!
ところで、橋下氏の「従軍慰安婦」発言が沖縄米軍への「風俗活用の勧め」とほぼ同時期になされた意味について、友人が深い見解を述べているので紹介する。橋下言動の核心だと思う。全く同感! 沖縄の人々にはしない「撤回・謝罪」を、米政府・米軍・米国民にだけ行なう姿勢には、元の発言と同じ植民地観に基づく「思想性」「宗主国性」がハッキリと表れている。
【M氏の見解】
橋下発言の核心は、「今現在、日米安保維持のために沖縄で最も必要なのは、風俗という名の売春であるのは自明のことである」ので、それを言うためにかっての日本軍の「慰安婦」とされた人たちのことまで持ち出して語ったということだと思います。 植民地沖縄に対する宗主国ニッポンの一人の政治家として、宗主国の安全のために、強制収用で作った基地(土地・空間・社会・危険・軍事)の提供に加えて、植民地沖縄の女性を、かつての先勝国の男に差し出しますからよろしく、と言っているのです。