歌遊泳: 正月3日、猫を看取る。 ♪ オロロンバイ ♪

遠藤実作詞・作曲、小林旭歌唱、『オロロン慕情』

正月帰阪中、飼い猫(二匹のうちの一匹)が死んだ。飼主(女房)は年末から、東海地方で洋菓子店を営む娘夫妻の手伝い(クリスマス~正月の繁忙と、保育所休暇中の孫の保育)に出向いており、ぼくが一人で猫の最期を看取った次第。                                                                               アレルギーによる脱毛・ダニ・カビとも陰性・皮膚の爛れ・・・、11月から通院していたが、合う薬を求めた試行錯誤も不首尾、1月2日午前、呼吸乱れに驚いて緊急通院(2日でも開けてくれた医者に感謝)で「腫瘍肥大から肺圧迫による呼吸困難。今夜か明日・・・でしょうか。看取ってあげて下さい。」‥……                                                                                                    夕刻まで、虫の息状態を続けていたが、最後に大きく息を吸い込み、そのまま果てた。                                                   

2005年春、生後3月の姉妹猫を貰い受けて飼い始めた。7年10ヶ月で生を終えたわけで、人間で言えば50代というところだから若くもないのだが、以前飼っていた猫が19年生きたので早死にのように感じてしまう。                                                                                                     二匹の「性格」の違い、行動パターンの対比が実に面白く楽しませてもらったものだ。                                                                                        残った猫:プル(チャンプルから命名)は家族以外にも人懐っこく甘え上手で、三毛猫で顔も美形、亡くなった猫:ゴー(ゴーヤから命名)は人を寄せ付けないというか抱かれ下手で、混じりあった不鮮明な毛色の雉猫、表情はいつも不機嫌だった。が、堂々としていた。                                                                                                                                               エサの求め方・食べ方、屋外に出て戻って来るときの態度、二匹とも飼主の布団に潜り込むのだが、プルは信頼しきってゴーはやや半端に隅に・・・という具合、などなど。「人間の兄弟みたいやと言うべきか、人間以上と言うべきか」「面白いな」といつも飼主と言い合ったものだ。                                                                                                                                            姉妹を見比べた訪問者が、可愛いねと褒める前に必ず吐く枕詞「ホントに姉妹?」には、言外に「姉ちゃんは、あんなに奇麗なのに・・・」との本音が炙り出しの伏字で刻印されているのだと、彼女は感じていたはずで、いつも飼主が本人(猫)に代わって傷ついていた。                                                                                                                                     人から「お母さんは奇麗な女優さんやったね」と言われる度に、その言葉が「美貌の母親女優に比べあんたは・・・」としか聞こえなかった幼女期~思春期を過ごしたという女優某は、そのコムプレクスを糧・バネにして、知性と反骨と努力で女優業を我がものとし、母親を越え美貌に勝る味わいある大女優になった(ぼくもファンです)。『赤目四十八瀧心中未遂』、これ最高です! 予告編 http://www.youtube.com/watch?v=FsNOwB68hJM                                                                                                                                 が、凡人(猫)はそうは行かない。飼い猫としての陽の当るところを全部姉に譲り、命まで姉に差出すように、逝ってしまった猫生やったな・・・と、翌日帰阪した飼主と二人で、薄暮の自宅裏庭に埋めてやった。合掌!                                                                                                                          件の女優の母親が近年シャキッと芯ある高齢者を演じ、中々の味を出している。根にコムプレクスがあっても深いところで愛情と信頼があれば、                                                                                             競い合うのではなく励み合う関係となり、このように互いが成長できるのだ。コムプレクスは大切だ、人が励み・成長する原動力だ。                                                                                                        やたら数値化し競い合うことばかり求める風潮に言わせてもらうが、それと「励み合う」こととの違いを伝えるのが本来の教育やで、維新教育よ。                                                                                       とは言え、ワシ「励み合う」こと稀にして競い合っては敗れてばかり、リキの無駄使い・誤使用に明け暮れて来たのです。友の価値と意味、師匠・先生・先輩・同輩・後輩の有難さ、そうしたことに気付きかけたのはごく最近・・・・、それ白状しときます。                                                                                                                                                                                                                                                      

ふと、遠藤実作詞・作曲、小林旭歌唱、『オロロン慕情』が浮かんだ。                                                                                                                                                                                                                                        http://www.youtube.com/watch?v=WsK5fmJ7ssw                                                                                     

『オロロン慕情』                                                                                                                 俺と一緒に遊ぶ娘が死んだよ・・・                                                                                              網走 おもいで すさぶ風                                                                                                      今度は永い命をもらい                                                                                                                                                                             オロロンバイ オロロンバイ                                                                                                          生まれておいでよ・・・

作詞作曲の遠藤さんが紡ぎ出した名曲・・・。                                                                                                     1949年17歳で疎開先から帰京というか上京、                                                                                                   各種職業を転々とした極貧生活から流しの演歌師となり、辛酸を舐め尽くしたという遠藤さん。                                                                                                                                                                                                  実体験か、そのデフォルメか、仮想か、若き日々の自画像か・・・、薄幸の娘への遠藤さんの思い入れが、やたら凍みる正月3日の薄暮だった。

遠藤実 代表作:                                                                                                                       『からたち日記』 http://www.youtube.com/watch?v=Tzp6d31Q5S8 島倉千代子                                                                     『高校三年生』 http://www.youtube.com/watch?v=f0bEAfLGE24 舟木一夫                                                                                                       『星影のワルツ』 http://www.youtube.com/watch?v=Blk2sxIEdxI 千昌夫                                                                                                          『ついてくるかい』 http://www.youtube.com/watch?v=vv1GKxmVht0 小林旭                                                                                 『せんせい』 http://www.youtube.com/watch?v=lz9aFcdtB-c 森昌子                                                                                                             『くちなしの花』 http://www.youtube.com/watch?v=VR4nLauevyc 渡哲也                                                                                                                     『すきま風』 http://www.youtube.com/watch?v=ecaVprU_yMQ 杉良太郎                                                                                                『北国の春』 http://www.youtube.com/watch?v=cYXZgRINpzg 千昌夫

 

 

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