歌「100語検索」 36、<眠>
眠
「眠」を検索した。 「眠りましょう」 「眠りの中」 「眠りたい」 「眠りなさい」 「眠れない夜」 「眠ったふり」 「眠らせるな」 「道端で眠った」と、それぞれだ。 『TAXI』の「眠れなくても」「側にいたい」に、他の歌に無いものを感じていた当時を思い出した。 1980年ころ、顔を黒く塗りタキシードという出で立ちで登場、『ランナウェイ』『街角トワイライト』などのヒット曲を唄った「シャネルズ」(鈴木雅之、田代まさし、桑野信義らが居た)。 彼らは、1983年から「ラッツ&スター」に改名して『め組の人』『Tシャツに口紅』などヒットを続け、1987年、中心メンバー、リードボーカル:鈴木雅之の姉、すでに34歳・二児の母だった鈴木聖美が型破りのデヴュー。彼女が「ラッツ&スター」と組んで世に出した曲『TAXI』(『ロンリーチャップリン』もある)は25年経った今も色褪せない「力」を秘め持っている、やがて伝説になるだろう珠玉の名曲だ。
『TAXI』における聖美の日本人離れした歌唱力・迫力には力強い母性さえ感じて圧倒されたものだ。当時友人が、夜のキタで恋に落ち(客観的には片想いだが)、相手にこの歌の主人公像を被せ、暫く(一年弱)悶々としていたのを思い出す。友人の苦しい(?)恋にウンザリしながらも、いささか屈折した感じ方のぼくは、『TAXI』のストーリーと女性主人公に、「時代」「男女」に翻弄されても闘う(?)女と、執着と未練の粘質に満ちた歌詞がかえって、その果てに在るある種の潔さや、その女性の等身大の誠実を最も想わせるという逆説・・・、それを感じていた。う~ん、いい歌です。 『 タクシーに手を上げて ジョージの店までと 土曜の夜だから Ah あなたがいそうで サヨナラした人に 逢いたくなるなんて 雨にぬれたせいかしら Ah 弱いね私も 』 歌詞は最後に 『想い出を燃やし尽くしたら 男と女には友情が残るはず』 と語るが、それが至難の業・無理筋だと知る者(主人公と女性作詞者)から聴き手への、いや主人公・作詞者・唄い手自身への、唄うひと時にのみ与えられるご褒美だと思えた。 別離の背中にへばり付く明暗・愛憎に、君が振り回されボロボロ・ヘロヘロになっていても、ひと度はマジ「向き合い」取っ組み合っていたのなら、君たちが唄う時にだけ、「**が、残るはず」と絵空言葉を差し上げましょう・・・ ってか?
『TAXI』 http://www.youtube.com/watch?v=I8uUanyBFe0 鈴木聖美 『東京ららばい』 http://www.youtube.com/watch?v=XEqL6NCAnpQ 中原理恵 『あの鐘を鳴らすのはあなた』 http://www.youtube.com/watch?v=A_2xJMuIuBI 和田アキ子 『さらば恋人』 http://www.youtube.com/watch?v=A_2xJMuIuBI 堺正章 『聖母たちのララバイ』 http://www.youtube.com/watch?v=e_hrkACNXXo 岩崎宏美 『生きてりゃいいさ』 http://www.youtube.com/watch?v=5HyvadsTPpQ 河島英五・加藤登紀子 『時には昔の話を』 http://www.youtube.com/watch?v=rIePRLjn8gs 加藤登紀子 『とんぼ』 http://www.youtube.com/watch?v=KJGfkF9LnXA 長淵剛 『想い出まくら』 http://www.youtube.com/watch?v=cSUo4OC6a8A 小阪恭子 『オリビアを聴きながら』 http://www.youtube.com/watch?v=I_9LWE3llJs 尾崎亜美 『ffフォルティシモ』 http://www.youtube.com/watch?v=vE2yB-bK2UQ 大友康平 『もうひとつの土曜日』 http://www.youtube.com/watch?v=uAdB2nxg5z8 浜田省吾 『わかれうた』 http://www.youtube.com/watch?v=TSiwK5QF398 中島みゆき 『時は過ぎてゆく』 http://www.youtube.com/watch?v=_Bwx9e994xw 金子由香利
あああ、「TAXI」、名曲です…