通信録: 逆説「何故 橋下はイヤミ氏を処分しないのだろう」(赤川次郎)
赤川次郎、朝日に投稿
3月2日、大阪府立和泉高校の卒業式で校長の中原徹氏が教頭らに命じて、君が代斉唱時に教師の口元をチェックし、君が代を歌っていなかった教師について処分が検討されている。 校長中原は、民間から登用という流れで弁護士から校長に採用された御仁だそうで、橋本知事(当時)の知人だという。 弁護士コンビのこの人権感覚・個人の信条無視、岡っ引き監視密告奨励の統治はどうだ! 赤川次郎氏が「朝日」に短文を寄せていたので。転載する。 ********************************************************************************
大阪の橋下徹市長は大阪府和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう? 教師の口元チェックしながら、姿勢正しく心をこめて「君が代」を歌えたはずがないのだから。 それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう。! 橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど「密告の奨励」は独裁政治につきものである。 府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した。曰く「落語は補助金なしでやっている」。 舞台に座布団一枚あればいい落語と、装置を組み、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識。 客の数だけを比べるのはベートーヴェンとAKBを同列にするのと同じだ。文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。
理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押し付けるのは、「力強い指導者」などとは全く別物である。 過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。 一つ違うのは、遭難するとき、他の全ての人々を道連れにするということである。 *************************************************************************************************
【付録】: kentaro氏の右記ブログ( http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2012-03-10 )の最高裁判決の読み、優れているぞ。