通信録: ある市長選 行政の『舟を編む』
ある市長選:市政の『舟を編む』
年間で一番の現場錯綜重なり期である2~3月を、仕事仲間の足を引っ張ることなく(?ですが)何とか乗り越えて先週末に帰阪した。 早朝、深夜、半徹夜、完徹夜を繰り返し、もちろんマイッタのだが、一番感じているのは、平常時の体調に戻るのに時間を要するなぁ~、という実感だ。4月第一週を在阪し休養に当てさせてもらうことにした(雇用主に感謝)。 実家に戻ると、居住市では「市長選」の真っ最中。2004年に市長選に挑んだ女性市議(その時はあわや当選という僅差の善戦だった)も立候補する4候補による激戦が始まっていた(4月8日投開票)。維新の会派市議、みんなの党系(維新の会候補選びに敗れた)医療関係者、旧社会党一潮流系市議、そしてその女性市議だ。 この女性市議は、04年の市長戦でぼくも何度か選挙カー運転手のボランティアをしたり、逆に07年拙著作の帯に評を書いてもらったりと、いささかの交流もあって考えの近さや人柄を知っているので出来る範囲の応援をしようと考えた。
2月初旬、三浦しをん著『舟を編む』のお薦め紹介のメール( http://www.yasumaroh.com/?p=14019 http://www.yasumaroh.com/?p=14034 )を送り(気に入った読物があると、何人かの友人知人に告げる癖がありますので)、2月の中頃だったか『舟を編む』を巡って電話で会話した時には「市長選立候補」には触れていなかった。秘していたのか、決断前の迷い中だったのか・・・。
ハシズムの震源地大阪では、現在一種の「熱狂時期」で、弁護士にあるまじき常軌を逸した偏執的「公務員叩き」「教育・教員バッシング」「同僚告発者優遇の強権・懲罰統制統治」の嵐の真っ只中。しかも、先般の大阪市長選の結果にも現れているように、反ハシズム派が統一候補(共産党も立候補を見送る英断を下した)を立てても勝てない「選挙民の支持」を得ているのだ。
もし、これに勝つという可能性を第一義に考えるなら(考えるべきだとぼくは想うが)、立候補者の個々の政策・政治主張の経歴・立候補表明時期の後先など度外視して臨むべしだとぼくは考える。ここで、ハシズム派に勝つことの意味は大きいとぼくは想う。 当選者複数の議会選挙ではなく当選者一名の首長選挙であり、市政運営という60%以上「超党派」的課題の運営トップの選択であり、「勝てない」を前提とした「議会での賛成反対実績羅列」「政治主張連呼」に意味がある選挙(そういう選挙もあるとは想う)ではない以上、いち早く手を挙げた旧社会党一潮流系市議、前々回善戦して文字通り「無党派」という隘路・悪路を歩んで来た彼女、その一本化が望ましいのだが・・・。事態はぼくのような外野が考えるほど簡単ではなく、様々な互いに譲れない経緯があるようだ。
4月1日朝、調整して時間差で同じ駅で出陣式を開いた二陣営には、近隣の市在住者を含む友人知人労組関係者を多数見かけたが、そのほとんどが旧社会党一潮流系の聴衆の中に居た。
大げさに言えば、課題はファシズム台頭期の勢いへの過不足ない評価と、1930年代ヨーロッパの人民戦線を含め、ファシズムへの対抗陣型の作り方・在り方を巡るスタンスなのだろうか・・・? 両陣営の「罵り」が苦しい。 http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6927;id=01#6927
いずれにせよ、地方行政の多くの部分は『舟を編む』に近く、かつ今回はハシズムに勝つという大目標があると思うのだが、政治への関わりの薄いぼくには語り得る言葉も無い。 が、ハシズムは待ってはくれない。