Archive for 4月, 2012

歌「100語検索」  36、<眠>

「眠」を検索した。                                                                                                                           「眠りましょう」 「眠りの中」 「眠りたい」 「眠りなさい」 「眠れない夜」 「眠ったふり」 「眠らせるな」 「道端で眠った」と、それぞれだ。                                                                                                         『TAXI』の「眠れなくても」「側にいたい」に、他の歌に無いものを感じていた当時を思い出した。                               1980年ころ、顔を黒く塗りタキシードという出で立ちで登場、『ランナウェイ』『街角トワイライト』などのヒット曲を唄った「シャネルズ」(鈴木雅之、田代まさし、桑野信義らが居た)。                                                                                                                                                                     彼らは、1983年から「ラッツ&スター」に改名して『め組の人』『Tシャツに口紅』などヒットを続け、1987年、中心メンバー、リードボーカル:鈴木雅之の姉、すでに34歳・二児の母だった鈴木聖美が型破りのデヴュー。彼女が「ラッツ&スター」と組んで世に出した曲『TAXI』(『ロンリーチャップリン』もある)は25年経った今も色褪せない「力」を秘め持っている、やがて伝説になるだろう珠玉の名曲だ。

『TAXI』における聖美の日本人離れした歌唱力・迫力には力強い母性さえ感じて圧倒されたものだ。当時友人が、夜のキタで恋に落ち(客観的には片想いだが)、相手にこの歌の主人公像を被せ、暫く(一年弱)悶々としていたのを思い出す。友人の苦しい(?)恋にウンザリしながらも、いささか屈折した感じ方のぼくは、『TAXI』のストーリーと女性主人公に、「時代」「男女」に翻弄されても闘う(?)女と、執着と未練の粘質に満ちた歌詞がかえって、その果てに在るある種の潔さや、その女性の等身大の誠実を最も想わせるという逆説・・・、それを感じていた。う~ん、いい歌です。                                                                                                                  『 タクシーに手を上げて ジョージの店までと  土曜の夜だから Ah あなたがいそうで                                                                                                                                                                                                                                                      サヨナラした人に 逢いたくなるなんて 雨にぬれたせいかしら Ah 弱いね私も  』                                                                                                  歌詞は最後に 『想い出を燃やし尽くしたら 男と女には友情が残るはず』 と語るが、それが至難の業・無理筋だと知る者(主人公と女性作詞者)から聴き手への、いや主人公・作詞者・唄い手自身への、唄うひと時にのみ与えられるご褒美だと思えた。                                                                                                                  別離の背中にへばり付く明暗・愛憎に、君が振り回されボロボロ・ヘロヘロになっていても、ひと度はマジ「向き合い」取っ組み合っていたのなら、君たちが唄う時にだけ、「**が、残るはず」と絵空言葉を差し上げましょう・・・ ってか?                                                                  

『TAXI』 http://www.youtube.com/watch?v=I8uUanyBFe0 鈴木聖美                                                                                                                『東京ららばい』 http://www.youtube.com/watch?v=XEqL6NCAnpQ 中原理恵                                                                                     『あの鐘を鳴らすのはあなた』 http://www.youtube.com/watch?v=A_2xJMuIuBI 和田アキ子                                                                                                             『さらば恋人』 http://www.youtube.com/watch?v=A_2xJMuIuBI 堺正章                                                                 『聖母たちのララバイ』 http://www.youtube.com/watch?v=e_hrkACNXXo 岩崎宏美                                                                                                       『生きてりゃいいさ』 http://www.youtube.com/watch?v=5HyvadsTPpQ 河島英五・加藤登紀子                                                                                  『時には昔の話を』 http://www.youtube.com/watch?v=rIePRLjn8gs 加藤登紀子                                                                                      『とんぼ』 http://www.youtube.com/watch?v=KJGfkF9LnXA 長淵剛                                                                                  『想い出まくら』 http://www.youtube.com/watch?v=cSUo4OC6a8A 小阪恭子                                                                『オリビアを聴きながら』 http://www.youtube.com/watch?v=I_9LWE3llJs 尾崎亜美                                            『ffフォルティシモ』 http://www.youtube.com/watch?v=vE2yB-bK2UQ 大友康平                                                                    『もうひとつの土曜日』 http://www.youtube.com/watch?v=uAdB2nxg5z8 浜田省吾                                                                 『わかれうた』 http://www.youtube.com/watch?v=TSiwK5QF398 中島みゆき                                                                                                                                         『時は過ぎてゆく』 http://www.youtube.com/watch?v=_Bwx9e994xw 金子由香利                                                                                          

 

通信録: 逆説「何故 橋下はイヤミ氏を処分しないのだろう」(赤川次郎)

赤川次郎、朝日に投稿

3月2日、大阪府立和泉高校の卒業式で校長の中原徹氏が教頭らに命じて、君が代斉唱時に教師の口元をチェックし、君が代を歌っていなかった教師について処分が検討されている。                                                                                                      校長中原は、民間から登用という流れで弁護士から校長に採用された御仁だそうで、橋本知事(当時)の知人だという。                                                                                            弁護士コンビのこの人権感覚・個人の信条無視、岡っ引き監視密告奨励の統治はどうだ!  赤川次郎氏が「朝日」に短文を寄せていたので。転載する。                                                                                                                                               ********************************************************************************

大阪の橋下徹市長は大阪府和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう?                                                                     教師の口元チェックしながら、姿勢正しく心をこめて「君が代」を歌えたはずがないのだから。                                                                                                  それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう。!                                                                      橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど「密告の奨励」は独裁政治につきものである。                                                                                          府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した。曰く「落語は補助金なしでやっている」。                                                                                             舞台に座布団一枚あればいい落語と、装置を組み、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識。                                                                                              客の数だけを比べるのはベートーヴェンとAKBを同列にするのと同じだ。文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。

理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押し付けるのは、「力強い指導者」などとは全く別物である。                                                                      過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。                                                                                                  一つ違うのは、遭難するとき、他の全ての人々を道連れにするということである。                                                       *************************************************************************************************

【付録】: kentaro氏の右記ブログ( http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2012-03-10 )の最高裁判決の読み、優れているぞ。

通信録:  夕暮れ桜・禁煙・年末に目撃した事故

橋からの桜

事務所兼自宅を出て、黒湯天然温泉:天神湯へ向かい旧東海道を歩いた。陽が永くなったなと実感する。                                                                                                      目黒川を跨ぐ『品川橋』に差しかかると、荏原神社前の両岸に満開近い桜が観える。立ち止まって眺めた。                                                                           夕暮れ時、川面を渡って来る風を受けてつい深呼吸した。まだ禁煙から20日程度の、しばしば「煙草恋しい」禁煙初心者の身だが、「タバコやめてよかった・・・」などと思いたいからだろうか、いまやってみた深呼吸の味が確かにこれまでと違っているように思えるから不思議だ。

2月3月の過密スケジュール(大したことはなく、ぼく的には・・・と言う程度なのだが)の後半、現場で「経験したことの無い背中の痛み」に遭遇。現場進行中は、マッサージやシップで誤魔化していたが、一段落着いた後、さすがに近くの医院へ走った。                                                                                                             心電図・血液検査・脚の血流検査などなど・・・。                                                                                                                                                                近くの「船保高輪病院」を紹介されたが帰阪予定。4月初め大阪であれこれ検査に至った。                                                                                                            狭心症、脚の血管年齢89歳などと言われて困惑・狼狽。ニトロールやサルポクレラートを渡された。心筋梗塞や脚の閉塞性動脈硬化症に至ったのでは困りますぅ~。 とうとう、タバコを止めた。

昨年末、この橋の少し先200M北に在る天神湯に向かう途中の信号で、高齢者が車に撥ねられる場面に遭遇したのを思い出していた( http://www.yasumaroh.com/?p=13608 )。                                                                                      後日、その高齢者が一命を取り留めたと聞いて、「あぁ、良かった」そう思ふと自身が救われて行く気がしたのだ。                                                                                                                                  一部散り始めてもいる桜を観て、橋の欄干から顔を突き出してもう一度深呼吸した。

通信録: ある市長選(4月8日投開票)結果報告

ある市長選:結果  大左翼よ出でよ

先日、選挙戦のさ中にコメントした関係もあるので、一応4月8日の投票結果について書くしかない。                                                                                ハシズム派市議:32,000、前々回善戦の女性市議:24,000、左翼政党(共産党ではありません)市議:12,000、という「統一候補ならハシズムを阻止できた」という考え込む結果だった                                                                                                   これをどう読むかは、                                                                                                                                                                   現在の橋ズムの威力・根深さをどう観るか?という、相手の過不足ない評価。                                                                                                                                                                           だから、反ファシズム陣形の軸をどこに置くのかという歴史の教訓も汲み取っての、社会科学的思想的の評価。                                                                                                                                                                             いわゆる「社会主義勢力」(とその思想)も、自称「市民派」の女性議員も、21世紀社会への「有効性」や「自立」への真摯な自己評価。                                                                                などに関わり、極めて今日的な根本思想を問われる命題です。                                                                               だから、ぼくには、いまここで明言するだけの「智恵」も「思想」も「覚悟」もない。                                                                ただ、開票翌日の当選者のニュース画像には

「維新」の風やまず 大阪・茨木市長選で維新副支部長が初当選』との解説コピーが付いていた。                                                                                                                  その風が、過去のタレント候補ブームや**ブーム等の一過性とは違い、21世紀初頭のグローバリズム下の不況・雇用不安・中低所得勤労者層の社会的解体過程での『21世紀型ファシズム』の相貌をして吹き荒れているとの受け止めをするぼくには、ハシズム派連戦連勝の阻止が何よりも重要と思えた。侮れない、芽はどんどん育っているぞ・・・と思っている。                                                                                                読売のあの独裁的「主筆」氏さえ「ナチス・ヒットラー登場に酷似している」と論評している。( http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120411/stt12041103150003-n1.htm )

20世紀の人民戦線が、ファシズム荒れ狂う1930年代のスペインやフランスで試行錯誤を繰り返した歴史をチラリと知ってはいる。だが、その時代、ナチスなどファシズムの脅威が目の前に在り、労働者・市民は社会主義革命への「信頼」(「信仰」と書きかけて訂正した)を棄ててはいなかった。                                                                                  1932年、アンドレ・ジッド、ロマン・ロラン、アンドレ・マルローらの呼びかけによるアムステルダム国際反戦大会からの国際反戦潮流の流れの中、34年2月ドイツでのナチス政権掌握を経て、34年4月フランスで社+共+急進社会党によるレオン・ブルム政権=人民戦線政府が、選挙での圧勝を得て成立した。                                                                                                                                                                                                                      が、人民戦線という呼称そのものが、マルクス・レーニン主義からする「社会主義革命に向けて」「何が有効なのか」という、戦術論に基づいたネイミング(ブルガリア、ディミトロフ氏)であり、当時の社会主義の総本家たるソ連(スターリン)は、20年代~30年頃の『社会ファシズム論』(社会民主主義はファシズムの双生児であり、ファシズムに優先して打倒すべき対象)(社民主敵論)の凄惨な実践から、ナチス政権誕生後の「人民戦線推進」へと大きくブレている。                                                                                  いずれにせよ、社会主義革命を思考のてっぺんに据えて、そこに向けて何が有効なのかというマルクス主義者の戦術ではなく、現に日々進行する橋ズムを阻止する陣形、その21世紀的な思想的拠点を提示する言葉・行動・思考こそが求められているのだと思う。                                                                            そもそも反ファシズムの思想的拠点そのものは、マルクス・レーニン主義の20世紀型教条とは、多くの要素で相容れないとも、ぼくは考えて来た。言論・出版・放送・表現・結社の自立・自尊、議会の尊重と複数政党主義、政権から自立した労働運動・市民運動、他、・・・・ファシズムに抗う者が求める思考・思想・構え、その核心に対して、最もその対極に立ったのは、もちろんファシズムであるが、                                                                                           もう一方で他ならぬ権力奪取以降の社会主義国を含む                                                                                                                                                                                                                                                 マルクス・レーニン主義の20世紀型教条だったことなんぞ知らないよと、ぼくは、決して言いたくはない。

ある友人がこう言っている。                                                                                    『その女性市議が後から手を挙げた以上、君らが彼女を支持するなら、そのスタンスは実はこうだ。左翼政党市議とその選挙母体に、                                                                                                                                      「橋ズムに勝つために候補を一本化すべし。そして勝つ可能性は女性市議にある。立候補を取り下げるべし」と言えるのかどうか? なのだ。                                                                                           そう言い切れる人物や勢力を身内や周辺に持っているかどうかが、21世紀大左翼の条件やで』 と。                                                                     う~ん、難しい。

通信録: ある市長選 行政の『舟を編む』

ある市長選:市政の『舟を編む』

年間で一番の現場錯綜重なり期である2~3月を、仕事仲間の足を引っ張ることなく(?ですが)何とか乗り越えて先週末に帰阪した。                                                                                          早朝、深夜、半徹夜、完徹夜を繰り返し、もちろんマイッタのだが、一番感じているのは、平常時の体調に戻るのに時間を要するなぁ~、という実感だ。4月第一週を在阪し休養に当てさせてもらうことにした(雇用主に感謝)。                                                                                             実家に戻ると、居住市では「市長選」の真っ最中。2004年に市長選に挑んだ女性市議(その時はあわや当選という僅差の善戦だった)も立候補する4候補による激戦が始まっていた(4月8日投開票)。維新の会派市議、みんなの党系(維新の会候補選びに敗れた)医療関係者、旧社会党一潮流系市議、そしてその女性市議だ。                                                                                                                                        この女性市議は、04年の市長戦でぼくも何度か選挙カー運転手のボランティアをしたり、逆に07年拙著作の帯に評を書いてもらったりと、いささかの交流もあって考えの近さや人柄を知っているので出来る範囲の応援をしようと考えた。

2月初旬、三浦しをん著『舟を編む』のお薦め紹介のメール( http://www.yasumaroh.com/?p=14019 http://www.yasumaroh.com/?p=14034 )を送り(気に入った読物があると、何人かの友人知人に告げる癖がありますので)、2月の中頃だったか『舟を編む』を巡って電話で会話した時には「市長選立候補」には触れていなかった。秘していたのか、決断前の迷い中だったのか・・・。

ハシズムの震源地大阪では、現在一種の「熱狂時期」で、弁護士にあるまじき常軌を逸した偏執的「公務員叩き」「教育・教員バッシング」「同僚告発者優遇の強権・懲罰統制統治」の嵐の真っ只中。しかも、先般の大阪市長選の結果にも現れているように、反ハシズム派が統一候補(共産党も立候補を見送る英断を下した)を立てても勝てない「選挙民の支持」を得ているのだ。

もし、これに勝つという可能性を第一義に考えるなら(考えるべきだとぼくは想うが)、立候補者の個々の政策・政治主張の経歴・立候補表明時期の後先など度外視して臨むべしだとぼくは考える。ここで、ハシズム派に勝つことの意味は大きいとぼくは想う。                                                                                          当選者複数の議会選挙ではなく当選者一名の首長選挙であり、市政運営という60%以上「超党派」的課題の運営トップの選択であり、「勝てない」を前提とした「議会での賛成反対実績羅列」「政治主張連呼」に意味がある選挙(そういう選挙もあるとは想う)ではない以上、いち早く手を挙げた旧社会党一潮流系市議、前々回善戦して文字通り「無党派」という隘路・悪路を歩んで来た彼女、その一本化が望ましいのだが・・・。事態はぼくのような外野が考えるほど簡単ではなく、様々な互いに譲れない経緯があるようだ。

4月1日朝、調整して時間差で同じ駅で出陣式を開いた二陣営には、近隣の市在住者を含む友人知人労組関係者を多数見かけたが、そのほとんどが旧社会党一潮流系の聴衆の中に居た。

大げさに言えば、課題はファシズム台頭期の勢いへの過不足ない評価と、1930年代ヨーロッパの人民戦線を含め、ファシズムへの対抗陣型の作り方・在り方を巡るスタンスなのだろうか・・・?                                                                                              両陣営の「罵り」が苦しい。 http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6927;id=01#6927                                                                                    

いずれにせよ、地方行政の多くの部分は『舟を編む』に近く、かつ今回はハシズムに勝つという大目標があると思うのだが、政治への関わりの薄いぼくには語り得る言葉も無い。                                                                                                                      が、ハシズムは待ってはくれない。

 

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