交遊通信録: ぼくらの社会は同様の事態にどう対処できるだろう
フランス ロマ追放で大規模デモ 移民排斥政策に批判
若いU君へ。 君が言っていた事態です。『だから「閉じた」思考に留まれ』と言う君の言い分には同意できません。 確かに、ヨーロッパとぼくらの社会とは、歴史・植民地・20世紀以降の移民状況・宗教問題etc 大いに違う。同じだとは言わない。けれど、カタチと位相の違いを越えて、ぼくらの社会にこの「排斥運動」と同根の病理は深くあるのだと思う。このデモを行なうパリ市民にある「パリ五月」の精神は、ぼくとぼくらの社会に生きているだろうか? 自身を顧みて甚だ危ういと思う。けれど・・・ ぼくらの社会は組織的排斥を平然と行なっているではないか! 無権利状態かつ孤立、外に声を上げられない「弱者」「少数者」への夥しい数と量の「いじめ」「暴力」「排斥」の風土(それは、もはや制度でさえある)は、ロマ排斥に通じる病理であり、先進国日本の勤労者内部・生活者内部を覆う事態の日常化・生活圏化ではないのか? あるいは、沖縄に在日米軍基地を押しつけ意に介さず、列島全体の「抑止力」だと強弁し続けて居られるのは、その地が準「植民地」だからではないのか? 熊沢誠HP『語る』の最新頁( http://www.kumazawamakoto.com/essay/2010_sept.html )が言う事態に対処できない社会、減少させる手を打てない(打たない)社会(大多数の労働組合を含む)の一員であるぼくらが、この外信ニュースを他国のことだと言えようか? また語り合おう。
フランス ロマ追放で大規模デモ 移民排斥政策に批判 |
サルコジ政権のロマ追放に抗議し、デモを行うロマの人々や支援団体=パリで2010年9月4日、福原直樹撮影 |
【パリ福原直樹】フランス全土で4日、国内を放浪するロマ族の国外追放や、移民出身の犯罪者の「国籍はく奪」などを打ち出したサルコジ政権に対する大規模な抗議デモが行われた。欧州各地の仏大使館前でも同日、同様の抗議行動があり、「移民・外国人排斥」施策への国内外の批判の高まりを改めて示した形となった。 抗議デモはロマを支援する人権団体や労組が組織し、フランスでは、内務省によると7万7300人(主催者発表10万人)が参加した。うち5万人に上ったパリでは、サルコジ政権による不法キャンプ撤去で行き場を失ったロマも参加。「ロマ追放反対」「フランスは非人道的な政策を続けている」などの横断幕を掲げた。 また、ロンドン、マドリード、ブリュッセル、ベオグラード、ローマなどの仏大使館前でも仏政府に「人権擁護」を訴えた。 パリのデモに参加したロマの男性(21)=ルーマニア出身=は「サルコジ政権の政策は人種差別であり、このままだと暴動が起きる」と発言。支援団体「市民権と援助・団結」の幹部、シャバン氏(55)は「政府はロマを拒絶するだけで、受け入れ策を見いだそうとしない。(異民族排斥を訴え)ナチスが台頭した時代と似ているのでは」と話していた。